
物の重さは心の重さ
いまここ遺品整理の白坂です。
日々、遺品整理や生前整理の現場で多くの方とお会いしていると、毎回のようにお聞きする「決まった言葉」があります。
「業者さんに見積もりを出してもらったけれど、思ったより高いから……。これからは、週末に自分たちでコツコツやろうと思います」
そのお気持ち、本当に、本当によく分かります。
実家の片付けなんて、これまでの人生で何度も経験することではありません。
いざ見積もりを取ってみて「数十万円」という数字を提示されたら、誰だって一瞬「えっ」と怯んでしまうものです。
「自分たちで動けば、このお金が浮くのではないか」と考えるのは、ごく自然なことです。
しかし、数多くの現場を見守ってきたプロの視点からお伝えすると、この「自力でやります」という選択こそが、実は最も過酷で、結果的に最もお金がかかるルート になってしまうことが多々あるのです。
今回は、一見すると安上がりに思える「セルフ片付け」の裏に隠された、恐ろしい“見えないコスト”の正体についてお話しします。
■ 毎週の「1万円」が、3年後に化ける金額
ちょっと想像してみてください。
もし、あなたの実家が今住んでいる場所から少し離れた(例えば車で片道1〜2時間、あるいは電車を乗り継ぐような)場所にあるとします。
「今週末も実家に行って、ちょっとずつ片付けを進めよう」
そう決めて、毎週末に往復1万円の交通費(ガソリン代、高速道路代、あるいは電車の特急券など)を使い、実家に通い始めたとします。
1年は約52週ありますから、お盆や年末年始を除いて、年間50回通ったとしましょう。
• 1年間の交通費:1万円 × 50回 = 約50万円
「まあ、これくらいなら、業者に頼むのと同じくらいか、ちょっと安いくらいかな」と思うかもしれません。しかし、ここからが本当の試算です。
実家の片付けは、素人が週末の数時間だけで進められるほど甘くはありません。膨大な思い出の品、押し入れの奥に眠る古い布団、大量の食器、処分方法の分からない粗大ゴミ……。仕分けに迷い、手が止まり、気づけば「今日もこれだけしか進まなかった」とガッカリして帰路につく。
そうしてズルズルと片付けが長期化し、「3年間」 通い続けることになったとしたら、どうなるでしょうか。
• 3年間の交通費総額:50万円 × 3年 = なんと「150万円」
交通費とガソリン代だけで、最初に「高いな」と渋っていた業者費用を、気がつけば遥かにオーバーしてしまっているのです。
■ 片付けが進まない間も、実家は「生きて」いる
さらに、見落としがちなのが「実家を維持するための固定費」です。
中に誰も住んでいなくても、片付けが終わって家を売却したり解体したりするまでは、実家は所有しているだけでお金がかかり続けます。
毎年やってくる固定資産税。
万が一のための火災保険料や地震保険料。
通電・通水しているなら、基本料金だけでもかかり続ける電気・水道代。
これらが仮に年間20万円だとします(都市部や物件の大きさによってはもっと高くなります)。
片付けに3年かかってしまうということは、その3年分の維持費も上乗せされるということです。
• 3年間の実家維持費:20万円 × 3年 = 「60万円」
先ほどの交通費「150万円」と、この維持費「60万円」を足してみてください。
総額で「210万円」もの現金が、あなたの財布から流出してしまっている計算になります。
最初に提示された50万円の業者費用を節約しようとした結果、4倍近いお金を支払うことになっている。これが、セルフ整理が「底なし沼」と言われる最大の理由です。
■ お金よりも重い、「時間」と「健康」の損失
そして、本当に怖いのはお金のマイナスだけではありません。
プロではない一般の方が、重いタンスを運んだり、不自然な姿勢で何時間も荷物を仕分けしたりしていると、高確率で体を痛めます。
実際に「ぎっくり腰になってしまって、通院費用がかさんだ」「体力を消耗しすぎて、月曜からの本業に支障が出た」というお声を、私は嫌というほど聞いてきました。
何より、あなたの貴重な「3年間の週末」 が、実家の片付けという重労働だけで潰れてしまうのです。
その時間があれば、ご自身の家族と旅行に行けたかもしれない。
趣味を楽しめたかもしれない。あるいは、ゆっくり体を休めて心穏やかに過ごせたかもしれない。
長引くセルフ整理は、あなたから「大切なお金」だけでなく、「かけがえのない時間」と「健康」まで奪い去っていきます。
■ プロに頼むのは「これからの人生の時間」を買うこと
「プロに頼む」ということは、単にゴミをトラックに積んで持って行ってもらうだけの作業代行ではありません。
本来なら3年かかるはずだった過酷な時間を、わずか数日〜1週間に短縮し、「これからの3年間の自由な時間」と「あなたの健康」を買い取ることでもあるのです。
実家の整理は、決して過去の遺物を処分するだけの暗い作業ではありません。
これからのあなたの人生、そして家族の未来を軽やかに、心地よく整えるための「ライフエディット(人生の編集)」だと、私は考えています。
「あのとき、思い切ってプロに任せておけばよかった」
3年後にそう後悔する前に、まずは一度、立ち止まってみませんか?
実家を賢く、金銭的にも肉体的にも一番負担の少ない方法で整理するための手順や、予算に合わせた進め方は、いくらでもアドバイスできます。
一人で抱え込まず、次のステップへ進みたい方は、ぜひプロフィールのリンクからお気軽にご相談ください。まずは一緒にお気持ちとお荷物を、丁寧に整理することから始めましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます!
またお会いできますように^^
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